株主総会の中での議論 


株主総会で取り上げられた議論を紹介します。

原子力発電についての議論
 1.四国電力の考え
 2.高知県からの意見
 3.株主からの意見・質問

電力システム改革にかかる議論
 1.四国電力の考え
 2.株主からの意見・質問

原子力発電についての議論
四国電力の考え
1.原子力発電の方向性について家高副社長から、説明がありました。それによると、「原子力発電は,国のエネルギー基本計画において,『エネルギー需給構造の安定に寄与する重要なベースロード電源』と位置付けられ、当社としても、エネルギー政策の基本である,『安定供給』,『環境適合』,『経済効率性』 つまり、安定的に低廉で高品質の燃料を需要者
へ届けるという基本的使命を果たしていくためには、安全の確保を大前提に引き続き原子力発電を一定割合活用していくことが必要。」とのことでした。 

2.高知県からの意見
 伊方が停止して4年、原発がなくてもやって来れた事実から、原発の再稼働は必要なのか?という疑問が住民にも当方にもある。四国電力においても、ひとたび環境に影響を及ぼす事故を起こした場合、会社にとっても甚大なダメージになりかねないリスクを負ってまでも、伊方原発3号機を再稼働させる必要性について、説明責任を果たす必要がある。そうした原発の持つリスクを考えていけば脱原発の方向を維持していく
 べきだが、四国電力は脱原発のためのどのような方策を考えているのか、そのための電源構成をどうしていくのか示していただくよう強く要請する。また、これからの社会は再生可能エネルギーの導入促進に積極的に取り組むべきであり四国電力においても受け入れ可能な体制を作り普及拡大に全力で取り組んでいただくようお願いしたい。 

3.株主からの意見・質問
○原発がなくても電力を安定供給し、今期黒字化にも成功した。原発なしで経営が成り立つのでは?
○原子力発電のコスト計算については、国の試算額をもって他の発電形態より「経済効率性」(コストが安い)があると回答されたが試算ではわからない。当社の実際に必要となるコストでもって説明して欲しい。 実際の計算もしていないのに、原発の「経済効率性」をいうのはおかしいのでは?
○原子力の「経済効率性」について、同規模の北陸電力の株は、震災後も利益をあげ、 配当を出す一方、四国は利益も出ず赤字で配当もなかった。北陸と四国の違いは、原発の比率である。 北陸が低く四国が高い。原発の比率の高さが今の状況を招いている。さらに、原発はベースロード電源だと 言っているが、沖縄には原子力発電所はなく、高配当である。そのように考えると、原発はなくても電力は 安定的に賄えるし、原発は決してコストが安くない
○原子力はある程度の割合は必要だと言われたが、25年前に伊方で行った出力実験は、伊方発電所を 全台動かせば、電力の供給量が夜間の需用電力を上回ってしまうということが原因だった。四国でそんなに 原子力発電所の割合を高くする必要があるのか?(当時メーカー側で出力実験を担当していた株主より)
○原発が安いという根拠について、国の試算でもって回答されたが、現状の福島の事故の賠償金などはいくら かかるかわからない。廃炉の費用等も考えるととても安いとは言い難いのでは?
○原発の再稼働の必要について、愛媛新聞では県民の69%が再稼働に反対であり、89%が不安を抱いている。 放射能を含む死の灰は稼働すればするほど出るし、再処理をするとより毒性が強くなる。そんなものを「環境適合」といえるのか?また、原子力発電は地震があればとまる。それが「安定供給」といえるのか?                                           
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電力システム改革にかかる議論
1.四国電力の考え
総会で社長となる佐伯常務の5月1日の抱負「これから本格的な競争環境になるが、守りの意識を捨てて、チャレンジャーとして攻めの姿勢を前面に出す。」について、「攻めの姿勢」など今後の電力改革についての戦略などを伺いました。それによると、エネルギーを中心として、人々の生活に関わる様々なサービスを、高い品質で提供し続けることにより、快適・安全・安心な暮らしと地域の発展に貢献する、・・・当社はこの経営
方針の下、暮らしと地域の発展に貢献する、・・・当社はこの経営方針の下、電力の安定供給と経営の安定化のため、一日も早い伊方発電所の再稼動を実現したいと考えている。その上で今後の・・・経営環境の変化を好機とし、当社が保有するサービスや、経営資源を活用流用し、競争力の強化と新たな収益機会の確保に取り組む。という回答。これに対して、株主から質問や意見が寄せられました。
                                            

3.株主からの意見・質問
○当社の経営改革、経営戦略が非常に抽象的でわかりにくい。電力改革が大きく変わっている中で、原発の 再稼働のみを言っているが偏りすぎではないのか?再稼働さえできれば何とかなる的な感じを受ける。具体 的に今後の経営戦略を教えてください。(具体的な方針は未だない旨の回答)
○原子力は現状に至ってもリスクが大きく未熟なエネルギー
であり未来には期待できない。四国電力は燃料 電池等の水素エネルギーの研究はしているのか(会社としては特に行っていない)・発送電分離は、国により既に決まっていることなのだから、国に先んじて独自に組織を規定していくべき。
○東京電力は分社化も検討し、他の電力会社に先んじて発送電分離を進めている。四国電力は発送電 分離についてなにか始めているのか?(他の電力会社の動向を注視しながら進めていく。)
                                            
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