未来を考える脱原発四電株主会

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  • 未来を考える脱原発四電株主会の歴史

    私たちは1993年から四国電力の株主総会で株主提案権(3万株以上が必要)を行使して、主に定款変更という形で脱原発を目的とした提案を続けています。途中、活動休止期間(2000〜2011年)がありましたが、2011年3月11日の東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所での大事故を契機に、新しい仲間も加わり、活動を再開しました。2011年6月の株主総会には間に合いませんでしたが、2012年以降毎年、脱原発を願う多くの賛同株主のご協力を得て、株主提案を行っています。以下、各年の提案内容と提案株主数、提案株数を記します。

    第88回(2012年)定時株主総会

    提案株主30名 株数30,600株
    1、原子力発電から撤退。
    2、放射線被曝労働を伴う事業の中止。
    3、プルサーマルを中止。
    4、再生可能エネルギーの開発、推進。

    第89回(2013年)定時株主総会i

    提案株主85名 株数92,500株
    1、定款の前文に本会社の倫理綱領を掲げる。
    2、環境エネルギーの開発、推進。
    3、原子力発電の再稼働停止並びに廃炉に向けての検討委員会の設置

    第90回(2014年)定時株主総会i

    提案株主98名 株数80,500株
    1、高リスク高コストの原子力発電から撤退。
    2、公益事業者として情報開示を適正、誠実に行う。
    3、取締役を10名以内に(現在15名)、無配当期間の役員報酬を1人当たり1,000万円以内に減らす。

    第91回(2015年)定時株主総会i

    提案株主111名 株数101,600株
    1、人格権を侵害する原子力発電から撤退。
    2、発電に係る事業、変電と送電及び配電に係る事業、他の事業をそれぞれ分離独立し、持ち株会社制を導入する。
    3、配当金を一株年50円とする。

    第92回(2016年)定時株主総会i

    提案株主132名 株数110,000株
    1、生命や暮らしと共存できない原子力事業から撤退。
    2、電力自由化に対応する事業計画の策定。
    3、放射性廃棄物処理計画の策定と情報公開。
    4、希望する全自治体との原子力安全協定の締結。

    第93回(2017年)定時株主総会

    提案株主136名 株数116,400株
    1、電気事業のうち、核反応を伴う発電は行わない。
    2、伊方発電所から半径250km圏内の自治体との原子力安全協定の締結。
    3、福島事故及び当社の事故処理費用の電気代上乗せ中止。
    4、放射性廃棄物の適切な処理。

    第94回(2018年)定時株主総会i

    提案株主127名 株数131,800株
    1、定款の前文に原子力利用は未来永劫行わない等の本会社の倫理綱領を掲げる。
    2、再生可能エネルギーの開発、推進及び送電線の開放、増強。
    3、伊方1号機に続き、2号機、3号機を廃炉にする。
    4、取締役会長千葉昭氏と取締役社長佐伯勇人氏の解任。

    第95回(2019年)定時株主総会i

    提案株主133名 株数134,200株
    1 会長千葉昭氏、社長佐伯勇人氏と社外取締役森田浩治氏、井原理代氏、竹内克之氏の解任。
    2 太陽光発電事業者への出力抑制を行わない。
    3 伊方3号機を廃炉にする。
    4 伊方発電所より半径30㎞圏内の自治体と安全協定を結び、同協定に本会社独自の避難計画を明記する。

    第96回(2020年)定時株主総会i

    提案株主136名 株数139,100株
    1 佐伯勇人会長以下、全取締役の即時解任を議決する。
    2 定款に前文(安全宣言)を挿入する。
    3 再生可能エネルギーを2025年までに70%にする。
    4 伊方敷地内に使用済MOX核燃料を保管しない。

    第97回(2021年)定時株主総会i

    提案株主134名 株数132,600株
    1 長井啓介社長以下、全取締役の即時解任を議決する。
    2 定款前文に「脱原発の先駆者へ、新生四国電力の誓い」を入れる。
    3 排出二酸化炭素を2030年までに2020年度の半分にする。
    4 伊方敷地内の使用済核燃料乾式貯蔵施設の建設を中止する。

    第98回(2022年)定時株主総会i

    提案株主121名 株数122,500株
    1 佐伯会長、長井社長、山田原子力本部長の即時解任。
    2 南海トラフ大地震に備え、避難、防護、補償計画を明記。
    3 伊方3号機の廃炉と再生可能エネルギーの基幹電源化を明記。
    4 伊方1、2号機の廃炉を2060年度までに完了と明記。

    四国電力株主総会に出席し出して約30年になる。

    目的は脱原発。即ち戦争は合法的な直接大量殺人だが、 それに次ぎ原発は合法的な間接大量殺人だという素朴な反感だ。 そんな脱原発運動にも様々な戦い方がある。 例えば現地での直接行動、国策故に政治の場、また福井&大津&広島など仮処分決定で原発の操業を止めた司法の場など、 それらが多角的に連携することが重要だろう。 そこでぼくらは、原発本体の製造責任を負う電力会社の最高決議機関(株主総会)の場で、 「原発は安くて安全」などの大嘘を暴き、脱原発の機運を広げるよう努めてきた。 加えて個人的には、労働組合結成に伴う解雇撤回裁判勝訴を例外に、長年、ほとんど負け戦ばかりやってきた結果、 「負け犬の遠吠え」みたいな自己満足に懲り、ちゃんと相手方の土俵に上がり、堂々と四つに組んで戦いたい。そんな想いもある。 とは言え、紙切れを右から左へ回すだけで儲けるような株など、ぼくは生理的に大嫌いだ。 だが、こうした偏見は、この株主運動を通じて一変した。 毎年100人以上・10万株以上の賛同を寄せてくれる一般株主の多くは全く利己的ではなく、 広大な裾野として誠実に我々の運動を支えてくれている。
    さて今年の株主総会は、ほぼ死に体と化した伊方原発3号機を巡り争われた。
    一つ、この1月の定期検査中に起こった外部電源喪失など3件の重大事故。
    一つ、広島高裁での2回目の運転差止め仮処分決定。
    一つ、 テロ対策不備による来春の運転停止。
    一つ、 原発ゴミの行き場がなく、あと4年で伊方敷地内の保管容量が満杯。
    一つ、 地元愛媛県民の70%を筆頭に、世論調査でも大半が原発再稼働反対。
    これらの痛烈な批判に、四電側は「原発に絶対安全はないが、より安全になるよう努力する」としか答えられず、 脱原発議案は否決されたが、会場内の議論は脱原発一色に包まれた。
    その象徴が一般株主の「瀬戸内を死の海にしてくれるな」。
    今総会は、この切なる叫びに尽きる。
    以上、老兵ながら引き続き尽力したい。
    2020年6月27日 未来を考える脱原発四電株主会
    共同代表  佐藤公彦

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